世に常勝不敗の将軍、二人あり。
一人はアレクシス侯レオナート。
いま一人はガビロン三太子マルドゥカンドラ。
ともに百戦して百勝という稀代の名将が、
多士済々の勇者賢者英雄女傑を幕下に従え、万の軍を率い、遂にいくさ場にて相見える!
これ矛盾の故事なりや――激戦死闘の果てになお不敗の旗を掲げられるのは一方のみ!
真の常勝将軍は、果たしてレオか? マルドゥカンドラか?
武勇、知略、用兵、戦略、策略、情報、人材、国力――全てを駆使し激突する、シリーズ最大の総力戦に刮目せよ!
魔法がないから面白い、痛快にして本格なるファンタジー戦記の大本命、待望の第10弾!!
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【前回までのあらすじ】
アドモフ帝国の実権掌握も完了し、次いで祖国を実効支配する決意を固めたレオナート。
それは帝国すら超える大帝国の勃興を人々に予感させた。
だが、渾沌以来の「大帝」になろう彼を阻止すべく、パリディーダ帝国の魔女シェヘラザードが蠢動。
騎士の国ツァーラント、南の大国ガビロンと同盟し、“吸血鬼退治作戦”を開始する。
この空前の包囲網に対し、レオナートは三正面作戦を決断。
北のツァーラント軍へはアドモフ軍第一軍団を当て、率いるレイヴァーンは痛み分けに持ち込む一方、敵本土への浸透突破と攪乱を見事に成功させる。
だが残る強敵はまだ二つ。
東より迫り来るパリディーダ軍と冷血皇子キルクスには、アランと別動隊が決死の覚悟で時間稼ぎに当たった。
そしてレオナート率いる本隊は、ガビロン軍との決戦へ――