戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動を取り続けた昭和天皇。御製、会見、側近の証言など多岐にわたる貴重な資料をもとに、その八十七年の生涯を辿りながら、「昭和の意味」を浮き彫りにし、日本という国、天皇という存在の全体的意義を改めて問い直す。昭和史研究の第一人者による労作。
目次
プロローグ 崩御のとき――昭和六十四年一月
I 帝王教育とヨーロッパ外遊
II 軍部暴走の時代
III 日米戦争突入へ
IV 終戦、国民とともに
V 皇太子結婚と経済成長
VI ヨーロッパ再訪とアメリカ訪問
VII 天皇と経済大国日本
VIII 寡黙な当事者
エピローグ 平成時代の幕開け
主要参考文献
関連年表
補章一 歴史になっていく「昭和天皇」
補章二 昭和天皇の秘められし「言語空間」
あとがき
文庫版あとがき