科学者にして名文家であった寺田寅彦、中谷宇吉郎、湯川秀樹。国語教科書で彼らの文章と出会い、科学への扉を開かれた者は多い。この三人を中心に、岡潔、矢野健太郎、福井謙一、日高敏隆の名随筆を収録する。考えるよろこび、知る楽しみを味わえる「教科書名短篇」シリーズ唯一の随筆集。
文庫オリジナル
【目次】
科学者とあたま他六篇/寺田寅彦
(科学者とあたま/簑虫と蜘蛛/蜂が団子をこしらえる話/茶碗の湯/藤の実/鳶と油揚/蜻蜒)
地球の円い話他三篇/中谷宇吉郎
(科学以前の心/地球の円い話/立春の卵/科学の限界)
詩と科学他八篇/湯川秀樹
(詩と科学/原子と人間(詩)/科学と環境/目と手と心/単数と複数/具象以前/創造性の尊重/少数意見/アインシュタイン先生の想い出)
発見の鋭い喜び/岡 潔
科学的なものの考え方/矢野健太郎
広く学ぶ心/福井謙一
チョウの飛ぶ道/日高敏隆