「老い」をどう生きるか? どうすれば介護の不安を解消し、子どもの人生を巻き込むことなく死ねるのか――。母親の闘病と死から老後の自立を考え、五年に亙り約百か所の老人施設を取材、そこで暮らす人々の肉声を聞いて歩いた渾身のルポルタージュ。現在の「終活」ブームの先駆けとなった名著が、16年の時を経て復刊。
解説/樋口恵子、新装版解説/上野千鶴子
【目次より】
●第一章
母さん、堂々と病んでください
“最後の七年”のはじまりの日
母さん、堂々と病んでください
動けなくなったらどうしよう
人間の能力が減っていく日
●第二章
親孝行を期待したらダメ
母よ、淡くやさしき光ふるなり
介護不安が日本を狂わせる
“アトノ祭リヨ”といいたくないが……
ホネは拾わなくてもいい?
●第三章
母の着物に抱かれるしあわせ
人は老いると、どんなことが起こるか
放っといて。早く死なせて
ホーム行脚、本格的にはじまる
母の着物に抱かれるしあわせ
●第四章
理想のホームを求めて
ペットと暮らせるホームがあった……
福祉はどこへ行った?
やっぱり、高齢者虐待はあった
●第五章
親の自立、子の自立
妻の病気に弱い男たち
九十二歳でホームを出た理由
住まい型ホームに体験入居してみる
好みと値段が一致しないホームたち
●あとがき
●解 説――ついのすみ家の青い鳥 樋口恵子
●新装版解説――老人ホームに入りたくないこれだけの理由 上野千鶴子