この本を読まずに劉生の事を知ろうとする人は、劉生の画業を麗子像をぬかして話そうとする人に似ている――(武者小路実篤「序」より)
〈麗子像〉を通じて誰もが知る愛娘が、父・劉生の日記や手紙を引きつつ、その幼年時代から死までを綴った手記。新たな表現を求めて苦悩し、角力を愛し、時に癇癪を起こす――画家・劉生、そして人間・劉生を知るうえで欠かせない一冊。カラー口絵8P、著者が劉生の死後を綴った単行本初収録の随筆4篇、麗子の娘である画家・岸田夏子による解説を増補した新版。図版多数収載。【岸田劉生生誕130年記念企画】
【目次より】
序(武者小路実篤)
○
幼年時代から結婚まで
代々木時代
鵠沼時代
京都時代
鎌倉時代
満州へ
○
解 説(谷川徹三)
〈巻末付録〉岸田麗子随筆選
父の遺してくれたもの
ある女の講演草稿
あれから三十年
母のこと ――劉生を夫に選んだひと
○
岸田麗子 ――「麗子像」の先へ(岸田夏子)