「女らしさ」が、全部だるい。天使、小悪魔、お人形……「あなたの好きな少女」を演じる暇はない。好きに太って、痩せて、がははと笑い、グロテスクな自分も祝福する。一話読むたび心の曇りが磨かれる、シャーリイ・ジャクスン賞候補作「女が死ぬ」含む五十三の掌篇集。『ワイルドフラワーの見えない一年』より改題。〈特別付録〉著者ひと言解説
「あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。間違っても、がははと笑ったりはしない。がははと笑うような少女をあなたは軽蔑している。というか、それはもうあなたにとっては少女ではない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか。」
(「あなたの好きな少女が嫌い」より)