あらすじ林家は、朱子学者・林羅山を始祖とする江戸幕府に仕えた儒官の家柄である。大坂冬の陣の発端となった方広寺鐘銘事件から、史書『本朝通鑑』の編纂、湯島聖堂の創建、大学頭叙任、赤穂浪士討ち入り事件への対応、そして新井白石との対立まで――。初代羅山・二代鵞峰・三代鳳岡は、歴代将軍の寵用と冷遇に翻弄されながらも、江戸期朱子学の確立に奔走した。その林家三代一五〇年の闘いと事績を描く。