アメリカと中国の対立は世界をどう変えるのか。中国の台頭は新たな戦争を招くのか。
経済発展と民主化が同時に進行しない中国・ロシアを「ポストモダンの『近代』」という視点で捉え、今後の世界情勢を見通し、そのなかでの日本の指針を指し示す。
目次より
ポストモダンの「近代」
I
冷戦後の世界システムの展開
II
9・11後の国際政治――そして世界は元に戻った
権力移行の理論と中国の台頭
III
1 「インド太平洋」の時代
「欧米中心」時代の終焉
リーダーシップの欠如
四つの課題
アフリカ――日本にとっての課題
インド・パシフィック
「福田ドクトリン」40周年
「自由で開かれたインド太平洋戦略」の射程
TICAD7
2 非軍事のパワー
「開発協力が生み出す国力と国益」
日本の平和貢献
ミンダナオ和平
「ソフトパワーと芸術」
3 サミット外交
アジア外交の季節
三つの不安定要因
G7サミット
サミット外交と三圏域
首脳外交の効用
4 トランプと世界
激動する世界と民主平和論
トランプとマディソン的民主主義
ジャパン・ファーストの懸念
自由主義的秩序の先導役として
北朝鮮の核兵器開発問題
米国ファーストの一年
完全な非核化とは
5 人類の課題
持続可能な開発目標(SDGs)
気候変動の深刻な被害
温室効果ガス削減
SDGsと日本の課題
6 覇権競争
米中通商交渉
貿易戦争から「新しい冷戦」へ
米中「新冷戦」の構図
長期経済変動の底流
大戦後の歴史的位相と米中新冷戦