発火、料理、消毒、肥料、発酵、製紙、染料、陶芸のほか香道や茶道にも道具や材料として、灰は日本人の生活を支えてきた。また童話の中には「灰かぶり姫(シンデレラ姫)」に似た話が世界にあることを見出す。食生活、社会、風俗、宗教、芸術に分け入り、身近な生活必需品=灰の科学と神秘性を解き明かす。灰の負のイメージを払拭する画期的な作品。
目次
I 灰の生いたち
灰の誕生と埋火(うずみび)のこと
灰の成分と用途、そして灰屋のこと
II 灰と食
食べものと灰
酒と灰
醤油・味噌と木灰
海藻と灰
料理と灰汁(あく)
III 灰の恵み
和紙・織物と木灰
染料・染色と木灰
やきものと灰
IV 灰の効能
薬と灰
「秘術伝書」と灰
V 灰の恐怖
火山と灰
死の灰
VI 灰と高貴
茶道・香道と木灰
習俗・宗教と灰
文学と灰