天皇の死後の呼び名を「諡号」という。しかし、その諡号のあり方も時代によって大きく変遷してきた。明治以降は、一世一元の制のもと、在位中の元号をもって呼ばれることになる。本書では、中国の周代に始まる廟号・諡号との比較から、日本への導入、変容の過程を辿り、独自の発展を遂げた日本の諡号制の全容を明らかにする。さらに、王朝交代がなく、「万世一系」とされる日本において諡号の果たした役割、天皇が古代から現代まで存続し得た理由についても考察する。
(目次から)
第一章 天皇家はなぜ存続してきたのか
第二章 諡号とは何か
第三章 日本の諡号の種類
第四章 日本における諡号制度の展開
第五章 諡号の変容――追号・遺諡の成立
第六章 南北朝の危機と諡号
第七章 漢風諡号の復活