戦後日本は乏しい資源を補うために核技術を求め、1955年の日米協定によって原子炉・核燃料を導入する。だが軍事転用の疑念から規制をかけられ、74年のインド核実験以降、それは二重三重に強化された。日本は同様の問題を抱える西欧諸国と連携してアメリカと向き合い、10年近い交渉によって説得。福島原発事故後は、国際的信頼の回復に苦心する。本書は平和利用と核不拡散を両立させてきた日本の原子力外交の70年に及ぶ軌跡を追う。
まえがき
序 章 国際政治と日本の原子力外交
第1章 原子力の導入へ――一九四五~六四年
第2章 平和利用への一本化――一九六四~七〇年
第3章 インド核実験の衝撃――一九七〇~七六年
第4章 迷走のアメリカ、日欧の説得――一九七六~八二年
第5章 相次ぐ事故と日米協定の改定――一九八二~九二年
第6章 冷戦崩壊後の積極的関与――一九九二~二〇〇一年
第7章 3・11以後の混乱――二〇一一~一七年
終 章 日本に課せられた役割あとがき