あらすじ明治維新に際し、一方的に朝敵の汚名を着せられた会津藩は、降伏後、下北半島の火山灰地に移封され、藩士は寒さと飢えの生活を強いられた。明治三十三年の義和団事件で、その沈着な行動により世界の賞讃を得た柴五郎は、会津藩士の子であり、会津落城に自刃した祖母、母、姉妹を偲びながら、維新の裏面史ともいうべき、惨苦の少年時代の思い出を遺した。「城下の人」で知られる編著者が、その記録を整理編集し、人とその時代を概観する。