幕末維新期には、日本人同士が殺し合い、多くの血が流されました。おのおのが大義を掲げ、あるいは武士としての矜持から、刃を向けたということなのでしょう。とりわけ、要人の暗殺事件は、歴史を大きく動かすことになりました。現代において、暗殺は決して肯定されるものではありませんが、歴史小説のテーマとしてはとても魅力的です。
作家集団「操觚の会」に集う7人が、7つの暗殺事件を題材に、大胆な想像力と推理を駆使して作品を書き下ろしました。いずれの事件も謎に満ち、真犯人についても諸説ある、作家としての創作意欲をかき立てるものばかりです。はたして、どのような展開と結末が待っているのか!? 幕末史の暗部に真っ向勝負を挑んだ、粒揃いの作品をご堪能ください。
谷津矢車 竹とんぼの群青 ◆桜田門外の変
早見 俊 刺客 伊藤博文 ◆塙忠宝暗殺
新美 健 欺きの士道 ◆清河八郎暗殺
鈴木英治 血腥き風 ◆佐久間象山暗殺
誉田龍一 天が遣わせし男 ◆坂本龍馬暗殺
秋山香乃 裏切り者 ◆油小路の変
神家正成 明治の石 ◆孝明天皇毒殺