ラッセル・カークから始まる、現代アメリカを形作ってきた思想家たちを訪ねる"旅"。彼らの思索の中核には何があるのか。保守、リベラルといった概念の真の意味とは――。著者の精緻な読み解きが、アメリカ文化の複雑さと奥深さ、そしてパラドクスをも浮かび上がらせる。文庫化にあたり〈「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス〉を収録。
目次
プロローグ メコスタ村へ
第一章 戦後保守思想の源流――ラッセル・カーク
第二章 ネオコンの始祖――ノーマン・ポドレッツ
第三章 キリスト教原理主義――J・グレシャム・メイチェン
第四章 南部農本主義――リチャード・ウィーバー
第五章 ネオコンが利用した思想――レオ・シュトラウス
第六章 ジャーナリズムの思想と機能――H・L・メンケン
第七章 リベラリズム――ジョン・ロールズ
第八章 リバタリアン――ロバート・ノジック
第九章 共同体主義――ロバート・ニスベット
第十章 保守論壇の創設者――ウィリアム・バックリー
第十一章 「近代」への飽くなき執念――フランシス・フクヤマ
第十二章 「歴史の終わり」から「歴史の始まり」へ――フランシス・フクヤマ(続)第十三章 「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス
エピローグ 戦後アメリカ思想史を貫いた漱石の『こころ』