二十世紀を代表する歴史家ホイジンガが、フランスとネーデルラントにおける十四、五世紀の人々の実証的調査から、中世から近代にかけての思考と感受性の構造を、絶望と歓喜、残虐と敬虔の対極的な激情としてとらえ、歴史の感動に身をおく楽しみを教える。中世人の意識と中世文化の全像を精細に描きあげた不朽の名著。
【目次】
第一版緒言
I はげしい生活の基調
II 美しい生活を求める願い
III 身分社会という考えかた
IV 騎士の理念
V 恋する英雄の夢
VI 騎士団と騎士誓約
VII 戦争と政治における騎士道理想の意義
VIII 愛の様式化
IX 愛の作法
X 牧歌ふうの生のイメージ
XI 死のイメージ
XII すべて聖なるものをイメージにあらわすこと
史料解題