あらすじ母を見送った美津紀は、ひとり、冬の箱根へ向かう。かつて、祖母、そして母が訪れた芦ノ湖畔のホテルで夫と女が交わしたメールを読んでいると、「あたしは愛されなかった」という真実が目の前に立ち上がった。過去を正視し、今後一人で暮らしていけるかを計算する美津紀。はたして人生の第二幕へ向けて歩み出せるのか。大佛次郎賞受賞作。