あらすじトナカイ所有者殺害の前日、カウトケイノの博物館から世界的に貴重なサーミの太鼓が盗まれるという事件が起きていた。実は殺された男は数少ないサーミの太鼓のつくり手でもあった。二つの事件に関連はあるのか。クレメットとニーナは盗まれた太鼓のルートをたどる。寄付主はかつてフランス人探検家がこの地を訪れた際に同行して、サーミ人のガイドから件(くだん)の太鼓をもらったというのだ。七十年以上前のその探検では、ひとりの隊員が亡くなっていた。一年の内四十日間太陽が昇らない極北の地で、トナカイ警察コンビが悲しみに満ちた事件の真相に迫る。