ソルグランツの妾腹(しょうふく)の第一王子・ヴォルフレクスの後宮に囲われたアリーシェ。日々精を注がれ続け心をすり減らすものの、アリーシェの些細な行動に一喜一憂する彼を憎みきれなくなっていく。一方でヴォルフの元には祖国奪還(だっかん)の旗印となってほしいとの要請が後を絶たなかった。自身を冷遇した王家を恨む彼は相手にせずにいたが、アリーシェに至上の位――王妃の座を与えたいとの想いから挙兵を決意する。だがその寵愛(ちょうあい)をよく思わない者の手によってアリーシェが攫われてしまい……? 本書は「覇狼王の后(上)」(プランタン出版刊)を元に電子書籍化いたしました。表紙イラストはカワイチハル先生の描き下ろしとなります。表紙イラスト以外の収録はございません。