釈迦の伝記と教えから紐解きつつ、三経義疏、般若経典群、戒律・法華信仰・浄土信仰の経典、お盆・施餓鬼の経典ほか、日本の歴史・文化・風習に大きな影響をあたえた29の重要経典を精選し、その要所を平易に現代語訳。基礎知識とともに、『源氏物語』『平家物語』といった古典文学との関わり、各宗派の教義、日常の話し言葉になった仏語の由来なども解説する。一冊で「読む」「知る」「学ぶ」ができる恰好の必備書。
はじめに 日本文化の中の経典
第一部 釈迦の生涯と教え
第一章 仏伝の文学
第二章 過去現在因果経(一) 前世から誕生・出家まで
第三章 過去現在因果経(二) 成道の前後
第四章 パーリ仏典の涅槃経 ブッダ最後の旅
第五章 大乗涅槃経 一切衆生悉有仏性
第二部 日本の仏教と文化を育んだ経典
第一章 聖徳太子の三経義疏 法華経・維摩経・勝鬘経
第二章 鎮護国家の経典 法華経・金光明経
第三章 薬師如来の経典 薬師本願経・薬師七仏経
第四章 般若経典群 大般若経・金剛般若経・仁王経・理趣経・般若心経
第五章 戒律の経典 四分律・梵網経
第六章 法華信仰の広まり 法華三部経
第七章 浄土信仰の広まり 浄土三部経
第八章 密教の経典 大日経・金剛頂経
第九章 弥勒菩薩の経典 弥勒三部経
第十章 観音菩薩の経典 観音経・千手観音大悲心陀羅尼経など
第十一章 地蔵菩薩とお盆・施餓鬼の経典 地蔵十王経・仏説盂蘭盆経など
第十二章 原始仏典の再発見 法句経ほか
おわりに 岩にしみ入る蝉の声