王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年――歴代女王の献身により、王国は繁栄を享受していた。 五代目女王の娘・クリムヒルトもまた王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎える。歴代女王と同じ、神の力の「蝕み」に倒れ苦しむ姉・ブリュンヒルドの想いも背負い、玉座の間に入るクリムヒルト。しかしそこには、女王になる者が知らされる、王国最大の闇が待ち受けていた。 「護りたい」想いは同じく、しかし目に映す未来は異なる、女王が、忠臣が、王子が、竜が――紡ぐ歴史の狭間の物語。第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第三部開幕!