領都アーベルの攻略に成功し、ロルフは魔族軍にあって将軍の任を拝命した。しかし、彼は人間。これまで魔族を虐げてきた種族であることに変わりはない。わずかに揺らぐロルフの周囲。そしてロルフも、妹・フェリシアとの激闘でゆらいだ決意を自覚していた。そんな彼のもとに一通の手紙が届く。その差出人は、かつて彼が助けた女性・フリーダ。そこには、ロルフがいた第五騎士団の団長・タリアンの悪行が書かれており──。彼は、何のために戦うのか。正義のためか。弱き者のためか。それとも──。「怖い思いをさせて済まない。もう大丈夫だ。俺はここにいる」助けを求める少女を背に、ロルフは漆黒の刃を振りぬく──!過去を断ち切り、運命に立ち向かう彼を待つものとは。