人生の最期に残したことばには、強く心に訴えかける名文や美しい言葉がたくさん散りばめられている。しかし、日本では「死」を隠しがちな傾向にあるためか、あまり取り上げられることはない。人生を謳歌した者、志半ばで倒れてしまった者、どのような局面で死を迎えるにせよ、最期のことばにはその人の生き様が現われており、それらは口に出して読んでみると、新たな輝きを持って、私たちの心に響いてくる。むしろ、日々「生」に悩んでいたり苦しんでいたりする私たちに、感動や希望、勇気を与えてくれるものも少なくない。現代を生きる我々の心に響く、明言を声に出して読みながら、その意味をかみしめていく。