「私には、『思い出の色』が視えるんです」触れたモノの“色”にまつわる大切な記憶が視えてしまう少女・藤宮紅。その体質が原因で人付き合いがうまくいかず悩んでいた彼女は、心機一転、幼い頃に見た「思い出の和菓子」を訪ねて、いざ京都へ。そこで和菓子屋『静閑堂』の店主・大江樒と出会い、紅の人生は徐々に色づき始めていく。他界した妻が残した紺碧の謎、さる貴人に頼まれた奇妙な注文、すれ違いの祝い菓子など『静閑堂』では様々な想いと悩みを持つ者との出会いが待っていて・・・・・・。しっとり切なく心を癒す、四季彩まとう優しい和菓子の物語をご賞味あれ。