晴れて恋人同士となった二人。そして選ばれなかったわたし。頭をからっぽにしなきゃ耐えられなくて、走っていれば気が紛れると思った。でも何をやっても駄目だ。わたしはただ、振られただけ――ううん、夢から覚めただけ。いつまでもぎくしゃくとしたままではいかない。泣いてばかりで、立ち直るにはもうちょっと時間がかかりそうだけど。ああっもうっ、二人とも、本当にムカつくっ! バカっ! ……それでも、やっぱり大切な幼馴染なんだもん。そんな自分たちの関係に戸惑いつつ、最低最悪だった夏が終わって、文化祭の準備に追われる秋が訪れた。