サダト、ムバラク、フセイン一族――政官中枢に近づき暗躍した空手家がいた
中東で秘密警察や政府要人に空手を指導、外国製品の闇ルート販売とカジノ経営に乗り出す。
命運を賭したビジネスがイラク戦争開戦により頓挫した男は、ナイルに散った……。
200万人に及ぶ“空手の種”を撒いたその光と闇の濃い人生を描くノンフィクション!
1970年、映画「アラビアのロレンス」に憧れシリアに向かった岡本秀樹。空手の稽古を通じて、
アラブ民族に自立への誇りと現地の活気をもたらしていく。稽古を通じ築いた政官中枢との
人脈を生かしエジプト、イラクでビジネスに挑むが、イラク戦争勃発により計画は暗礁に乗り上げる。
すべてを失った彼が、たどり着いた場所とは――。
日本の外務省に徹底的に嫌われながら、灼熱の地でアラブ民族に
“自立の精神”を刻んだ男――構想十八年、国際ジャーナリストが満を持して贈る!
序章 「オカモト」が生まれた日
第一章 取材ビザを求めて(イラク前編)
第二章 空手との出会い(日本編)
第三章 中東の空手家(シリア・レバノン編)
第四章 闇商売に堕ちる(エジプト編)
第五章 最後の賭け(イラク後編)
終章 岡本が遺したもの