すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる。実学でない学知こそ、時代の転換期に活きる。哲学と神学の往還で歴史的視座をつかむ、渾身の集中講義! 著者初の哲学入門書。哲学は「綜合的な努力」、生きていく上でのマネジメント能力である。独創的と思うもののほとんどは、過去に鋳型があり、議論されつくしている。哲学史を学べば、思考の鋳型を見抜く力が身につく。すると、過去の哲学史から現代社会の出来事の多くは説明できるようになる。つまり、社会や人間を総体として捉え、対応することができるのだ。言説の連続ではなく、その背後にある人間を見る淡野安太郎の名著『哲学思想史』をテキストに用い、学生有志に行った4泊5日の自主ゼミ合宿の講義を編み直した、著者初の哲学入門書。■哲学は、東洋でも西洋でも神話との連続性の中にある■奇跡とは、今までの我々の思考のあり方、行動のあり方を変えること■現代の心脳問題は、一つの無神論の完成【目次】まえがき――先哲と共に考える学知は役に立つ一日目 第一章 哲学とは何か――「緒言」と序章を読む 第二章 古代哲学の世界――第一章第一節、第二節を読む二日目 第三章 現代につながる古代――第一章第三節、第四節を読む 第四章 思想における中世的世界――第二章第五~第七節を読む 第五章 近代文化の開花――第三章第八節、第九節を読む三日目 第六章 経験論の世界――第三章第十節を読む 第七章 啓蒙主義の克服――第三章第十一節を読む 第八章 弁証法的思考と新カント学派――第三章第十二節を読む四日目 第九章 唯物論と現代哲学――第三章第十三節、補章、むずびを読むあとがき――「正しい戦争」を支持しないために参考文献一覧