楓がなくした猫のストラップをいっしょに見つけたことをきっかけに、ふとした仕草やふいに自分に向けてくれる笑顔から楓と仲良くなれたと実感する伊織。 パパラッチと呼ばれ避けられていた頃からの進展に自信を持ち、もっと楓の笑顔を見たい、あわよくば恋仲になりたい、伊織はそんな思いを募らせる。ふたりの関係を進める第一歩として、名前で呼ぶことを目標にするのだが――「・・・・・・楓さん」「みゃー?」「お兄、コタロー相手に練習しなくても・・・・・・」 少しずつ表情豊かになってきた少女と過ごす、淡くて甘い夏が今、始まる。