仕事のストレスから逃げるように鎌倉旅行へ来た御木本小町。不運な手違いにより宿泊先を失ってしまう。代わりに紹介されたのは、柔和な支配人・神月と無愛想なシェフ・佐野、男二人が切り盛りするゲストハウス。
――思い出の料理おつくりします。
そこでは“特別な夜食”が提供されるらしい。
「……元気が出るケーキが食べたい」
亡き母が作ってくれた“元気が出るケーキ”に思いを馳せる小町の姿に、神月と佐野は思い出のケーキの再現を試みる。
記憶を頼りに解き明かされるレシピ――そこに詰まっていた亡き母の思いとは。
ゲストたちの思い出の料理を通じて紡がれる、出会いと成長の物語を召し上がれ。