あれから、忘却の楽園〈リーン〉は劇的には変わらなかった。だが、確実に変わり始めている。虚飾に満ちた理想郷で、オリヴィアはドラル王国の次期女王として、クリスは総統補佐官として。それぞれの道を歩む。 猛毒を宿す少女・フローライトとの甘き触れ合いの記憶に浸りながら、アルムは未来への望みを抱いていた。そんななか、少年のもとに舞い込んだのは、父・コランの訃報……動揺する少年たちに新たなる謀略の影が迫る! ほんの一時ですら平穏に満たされることのない世界、その悪意に少年は何を思うのか――。 第27回電撃小説大賞《銀賞》受賞。安寧の時を過ぎた新世界で少年と少女が至る運命の物語、第二弾。