天ヶ瀬まなつ。同じ学校の一年生で、幼馴染の妹・双原灯火のクラスメイトでもある。同級生曰く、天真爛漫な完璧美少女。上級生曰く、守ってあげたくなる正統派。そして「うちの高校で彼女にしたい後輩No.1」でもある。そんな学校の人気者である彼女と、学校の不人気者である僕は恋人同士というわけだ。つくづく幸せ者だな。
「いおりん先輩! 遊びに行きましょう! 楽しみにしてたんですからっ!」
つまりは僕は、僕だけが知っている。いつも明るく振る舞う彼女がふとした瞬間に見せる儚げな表情や、少し油断してぼーっとしている瞬間を。望まれる「美少女」を演じるのが上手い、素の彼女の魅力は僕にしか見せないことも。けれど――今の僕は、何か大事なことを忘れてないだろうか。
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