20世紀中頃、ヒーローとして世界の表舞台に登場した超人種がいた。
桁外れのパワーを持つ彼らは、他者のために自らの血を流すことを厭わなかった。
だが、時を経るにつれ、当初の崇高な精神は磨耗していった。
21世紀初頭、ヒーロー管理機関「G6(ガーディアンズ・シックス)」は、世界最大のヴィラン組織を壊滅させた。
人々がみな、こぞってヒーローを称賛した。
その事件をきっかけにして、世界は平和を取り戻していくかのように思われた。
だが、期待は裏切られた。
莫大な利権を得たG6は無数の派閥に分かれ、醜い権力闘争を始めたのだ。
正義より力が優先され、G6は単なる営利組織に成り下がった。
ヒーローの意味が見失われ、誰もが利に走るなか、一部のヒーローがある計画を立案した。
囚人(ヴィラン)を使い犯罪者(ヴィラン)を捕らえる……この試みは「ブラックジャケット・プロジェクト」と命名された。
数多の犯罪組織が集う超治外法権都市「獄門街(ごくもんがい)」を舞台に、悪と悪がぶつかる物語が、始まろうとしていた……。