京都で知る人ぞ知るこだわりの器と道具の店、『木と根』を夫と共に営む著者が、店舗で扱っているものにこだわらず、長年暮らしの中で愛用している調度を紹介。
ひとりで過ごす時、大切な誰かと過ごす時、気に入りの器や道具を選び使うことで、かけがえのない大切な日々を慈しむことができる楽しみを語るエッセイ。
『器や道具は使うからこそ美しい』
林さんはそれを教えてくれました。(香菜子/モデル・イラストレーター)
<構成>
■円居時(まどゐどき)
日常に寄り添い、記憶の中にそっと残り続ける道具たち
●「たおやかなもてなしの大浅鉢」 ・・・市川孝の青磁鉢
●「気負わず、気取らず、日常使い」 ・・・古物の朱の漆椀
●「食材の色が際立ち卓上が締まる黒漆器」 ・・・富井貴志の菓子器
●「おおらかな『くらわんか碗』で召し上がれ」 ・・・岡田直人の松灰釉高台飯碗
●「注ぐ形が愛らしいゆらぎの器」 ・・・奥平明子の大きなガラス鉢 /他
■ひとり時(ひとりどき)
ひとりご飯
残りものもちょっと豪勢になる。器は卓上の名脇役
●「絵柄を愛でる器と向きあう心地よい時間」 ・・・全日根の絵付け皿
●「トーストはずっとカリッと。パン食さんに使って欲しい皿」 ・・・山口和宏のクルミのプレート
●茶漬けの支度 三景色 /他
ひとりお茶
●「育てるように変化を楽しむ魅力ある土もの」 ・・・高木剛のコーヒー碗
●「葉の揺れを眺めながらほどける時間」 ・・・橋村大作の別注ガラスピッチャー
●中国茶のセット 三種の しつらえ /他
花生け遊び
●「オブジェのように存在感のある漆黒」 ・・・吉田直嗣の筒型花入
●「李朝雑器に通ずる、歪さの美」 ・・・田中茂雄の焼き〆壺 /他