あらすじ朝雄の母・きゑが、自分から「老人ホームに入る」と言い出した。一人で全ての手続きを済ませ、北海道の老人ホームを終の棲家に決めてしまったきゑ。朝雄は会社を10日間休み、友人から借りたキャンピングカーを運転して、東京から北海道まで母を送って行くことにした。母と息子、最初で最後の二人旅――のはずが、朝雄を「夏休み中のサンタさん」だと信じる6歳の家出少年・健太や、一攫千金を夢見るカップル・一歩と栗子が加わって、旅は妙な雲行きに……。人の絆の確かさを問う、心あたたまる長編小説。