昭和に入って、中国革命の発展は日本を揺り動かした。日本は中国革命に敵対し、戦いをいどむにいたった。……中国に対する干渉と侵略がついに世界戦争に拡大、国を亡ぼすにいたったのである。(本文より)軍靴の音がしだいに高まる昭和戦前は、暗黒の時代といわれ、幾多の暗殺やテロ、クーデターが続出する。注目すべきは、それらのほとんどが、中国問題が真の背景にあったことである。陸軍が、外では中国侵略、内では独裁政権を目的として、つぎつぎに“事変”をひきおこした。その大きな背景となったのが昭和2年に開催された「東方会議」だった―。戦争は、実は昭和2年にはじまっていたのである……。