『死神』との戦いも乗り越えて、より一層の愛を深めたシーモアとルーミー。傍目にも仲睦まじく、なにより明るく素直に愛情を振りまくルーミーの姿は、出会った頃からの大きな変化を感じさせるものだった。
そしてもう一つ、変化はあった。白昼を切り裂いた夜空と、日の中を飛んでいく吸血鬼。あの日、怪異が多くの人の目に留まった。そして世界の理の箍が外れたように、これまで隠されてきた無数の怪物たちが静かに蠢き出していく。
そんな新しい日常。突如事件は起きる。
「――パパ! 会いにきたの!」
自分とどこか似ている『娘』の登場に動揺を隠せないシーモア。否定しきれない彼の態度に、ルーミーの視線はどんどん険しくなっていく……!