あらすじ人間国宝、長唄の安東流家元の邸内で女弟子が殺された。左手には三味線のばちが握られていた――。犯人は内部の者としか考えられなかった。二代にわたって妾を邸内に住まわせているこの家では、夫婦・親子の間で嫉妬や憎悪が渦巻き、誰かが誰かを殺す動機には事欠かないほどだった。しかしなぜ女弟子が? 警察が謎の糸口もつかめないまま、やがて第二の殺人が……。名探偵・伊集院大介が初登場する、本格推理の名作!