「もしあなたが、この時間が、この瞬間が、永遠に止まればいいのにと願うことがあったら、そこであなたの負けです」
イリザベス・ファウストは父の葬式に出た。
父は未練と悲しみ、そして古びた屋敷を遺していった。
イリザベスは屋敷に入り、黒猫を追いかけて地下室に降りた。
不意に視界が闇に覆われ、入口の扉が消えた。
紫色の悪魔が現れ、まるで以前からイリザベスのことを知っているかのように笑みを浮かべる。
「もし、あなたが本当にここから出たいのなら、 私が帰り道を教えてあげましょう」
クレヨンで描かれた物語は動き出す。
それははたして幻想か、それとも記憶か。
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