あらすじ紅い羽織に金の文字「日下開山」「兵法天下一」、なんとも人を喰った文句を染め抜いて、嘘か真実かこれまでに敗北をきっした相手は宮本武蔵ただ一人という。そうとは見えぬ優男、それが華麗なる武芸者・夢想権之助だ。武者修業といいながら、江戸でのんきに暮らす夢想権之助を、奇怪な技を使う忍びの集団が襲う。忍びたちの狙いは何か?鍵は権之助の故郷・鹿島にあるらしい。愛用の杖をたずさえ、権之助は放立つ。鹿島の杜にたちこめる暗雲を打ち払うために!選考委員も驚いた。痛快時代伝奇。第八回ファンタジア長編小説大賞準入選作。