大乗仏教のエッセンスを262字に凝縮した『般若心経』。
日本人に最も親しまれてきた仏典であるものの、
ほとんどすべてが専門用語によってうめつくされ、
その最深部の理解には仏教学の基礎知識を欠くことができない。
空とは何か。自己とは何か。
そして、わだかまりを離れ、
ただ生きてただ死ぬ、本当に自由な境地とは――?
言葉のひとつひとつをていねいに味わい、
「一切皆苦」の現実を生き抜く智慧を浮かび上がらせる仏教入門。
【目次】
はじめに
原漢文
訓 読
現代語訳
第一章 般若心経とは何か
第二章 観音さまの見たもの
第三章 生死は仏のおん命なり
第四章 不生で調いまする
第五章 一切法を空と説く
第六章 輪廻の迷いを超えて
第七章 心の中を見つめれば
第八章 本来の自己に目覚める
第九章 究極の真実の世界
第十章 よく一切の苦を除く
終 章 「般若心経」の思想
おわりに
※本書は、二〇〇三年七月に大東出版社より刊行された『般若心経を読みとく 仏教入門の第一歩』に加筆修正し改題のうえ文庫化したものが底本です。