ノエル・チェルクェッティは、つねに、いつも、一番でなければならない。
名家の娘として将来を期待されピアノコンクールに挑んだものの、友人ジリアンに負け優勝を逃したノエル。失意のノエルは市長バロウズに唆され、人生を変えたくばと、悪魔を召喚する。
「大悪魔カロン。召喚の儀に応じ参上した」
願いを聞き届けた≪代償≫にと手足を奪われ初めて、ノエルは市長に騙されていたと気づく。そして漆黒の大悪魔カロンもまた、バロウズに騙され利用されたことに憤慨していた。
「た す け て」
絶望の淵で死に行くノエルの“第二の願い”を聞き入れたカロンは、ノエルにバロウズへの復讐を持ちかける。半信半疑ながらもカロンとともにバロウズに立ち向かい始めたノエルは、友人を害され自らも傷つき、ついに真実を知り――最後まで戦う決意をする。
【被虐のノエル】の名を持つ、“ただの魔女”として。
すべては復讐のために。