突如発見された「妖怪」のDNA。
それを持つ存在を、「妖人」と呼ぶ。
都内に佇む茶室、妖奇庵。
美貌の主・洗足伊織(せんぞく いおり)は、
明晰な頭脳をもつ隻眼の美青年。
口が悪くひねくれ気味だが、彼は人間と妖人とを見分ける力を持つ。
その能力を頼られて、警察からは捜査協力の依頼が。
今日のお客は、警視庁妖人対策本部(Y対)の新人刑事、脇坂。
彼に「アブラトリ」という妖怪が絡む、女子大生殺人事件について相談され……。
家令の美青年で「管狐(くだぎつね)」の夷(えびす)、無垢な美少年で「小豆洗い」のマメ。
家族同様の絆で結ばれた二人と、ひっそり暮らしていたいのに、
事件が伊織を放ってはおかない。
穏やかな日常に潜む「悪意」を、伊織は暴くことができるのか。
大人気妖人探偵小説!
※本電子書籍は『妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず』『妖奇庵夜話 空蝉の少年』『妖奇庵夜話 人魚を喰らう者』を1冊にまとめた合本版です。