金髪、碧眼の幼い少女という外見とは裏腹に、
『死神』『悪魔』と忌避される、
帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・デグレチャフ魔導少佐。
戦場の霧が漂い、摩擦に悩まされる帝国軍にあって
自己保身の意思とは裏腹に
陸、海、空でターニャの部隊は快進撃を続ける。
時を同じくして帝国軍は諸列強の手を跳ね除け、
ついに望んだ勝利の栄冠を戴く。
勝利の美酒で栄光と誉れに酔いしれる帝国軍将兵らの中にあって、
ターニャだけはしかし、恐怖に立ち止まる。
これは決定的勝利か、はたまたピュロスの勝利か。
――帝国は本当に全てを掴んだのか?と。