『風の市兵衛』の著者入魂! 書き下ろし時代小説、新シリーズ開幕!
鍛え抜かれた刃鉄のように純粋で強靱な、孤高の刀鍛冶・一戸前国包、見参!
時は元禄。
一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。
家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じて老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。
武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。
「天稟の素質」と言われた神陰流の達人である国包の下した決断は――。
孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし新シリーズ第一弾! 解説・北上次郎
「もしいま、書店でこの文庫本を手にとって迷っているなら、『ちょっと面白いよ』と、あなたの耳元で囁きたい。ただいま、そんな気分である。」(解説より)
――文芸評論家 北上次郎氏