あらすじ身重のおよしが突然、猫字屋に戻ってきたとおもったら、旦那の藤吉が突然店の金を持って失踪したという。およしに惚れ込んでいたはずの藤吉がなぜ? 喜三次は、藤吉を訪ね歩いて、川崎宿まではるばる足を向けたが、そこで意外な内実を知る。 生さぬ仲の子を我が子のように愛おしむ者がいるとおもえば、血の繋がった子どもを捨てる母もいる。 いつの世も変わらぬ人の情を、哀しみと慈しみに満ちた筆で描きだす、シリーズ最終巻。