サン・フルーヴ帝国医薬大学校の教授となったファルマはすっかり大学に馴染み、そして加速度的に日々の多忙さは増えていった。
そんな折、ファルマは大神殿による自身への度重なる干渉に決着をつけるべく、女帝エリザベート二世たちと共に神聖国へ向かう。
そこでファルマは、この“異世界”に隠された真実のひとかけらを、そして神聖国の大神官が辿る呪われた運命を知ることになるのだった。
時を同じくして、ファルマが不在となったサン・フルーヴ帝都にも異変が起き始めていた。それまでほとんど帝都に姿を現すことのなかった悪霊が、突如として大量に発生したのだ。
悪霊に立ち向かうエレンは、ある一つの仮説に思い至り戦慄する。この未曽有の大惨事は、ファルマの力の“揺り戻し”ではないか、と――。