自社が置かれた市場の変化を察知して、素早く組織に対処を促すことは難しい。変革の必要性を訴えるためには、説得力あるデータが欠かせない。しかし、そのようなデータが揃う頃には、絶好の機会は消失しないまでも縮小してしまっている。では、自分たちの事業が危機に直面する前に、組織に変革に向かって行動を起こさせることができるのだろうか。本書では、筆者らが世界的なローファームKWMのオーストラリア法人で採用した「私的データを生成すること」「証明の基準値を下げること」という2つのアプローチを説明し、そこから得られた他のリーダーたちにも応用可能な方法について論じる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2022年4月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。