王国カタラスのただ一人の姫君が逃げ出した。王が勝手に決めた縁談に反発して、恋仲だった剣士と愛の逃避行に踏み切ったのだ。……と、城下の人々は噂したが、それは全くのデタラメ。王女を追いかける羽目になった剣士のラシードは城の壁を守る下級兵で、王女の顔さえまともに見たことがなかったのだ。魔術師ファールーンとの邂逅を経て、王女はサフィーネと名乗り、共に身分を隠してバビロンの都に向かうことになる。その裏には、豊かに暮らしてきた王女にとってあまりにもショックな事実があった……! どんでん返しだらけのバビロニアン・ラブファンタジー、第2弾!