「──私は熊本城。肥後国に拠を置く加藤家縁の者にして……栄えある九州地方最大の“城姫”だ」 普通の高校生である僕、天城秋宗の部屋に突然現われた美少女は、自分のことをそう名乗ったんだ。どうやらタイムスリップをしてきたらしい彼女は、なぜか僕の家に住み込むことになって──。 そして次々と現われる城姫たちが起こす騒動に、僕はいやおうなく巻き込まれることになる。だって、熊本城は気が強いけどやっぱり女の子で、どうしたって放っておけないんだ。 これは僕と彼女、銀杏──“城主”とその“城姫”という関係を結ぶことになる、熊本城と過ごす日々の物語。