あらすじ〈右の剣〉クリザリッドに完膚なき敗北を喫した秋津慧太郎。友人だったはずの少女が敵となった、蟲愛づる魔女アンリ。一族が秘めた真実を知った女騎士クロエ。そして姿を消した詠い手マルティナ。 それぞれに訪れた決定的な挫折の向こうに、少年たちは花の都の崩壊を見る。 パリの空に鎌首をもたげた〈冥王蟲〉を前に慧太郎たちは再び立ち上がり、そして──欧州の大地で二つの“ジゲン”の剣が撃ち合わされるとき、〈蟲〉を宿す少年と〈蟲〉愛づる少女は、遠き楽園(アルマス)への小さく、けれど確かな一歩を刻む。