京都の一角にある「からくさ図書館」は、優しげな館長さんと可憐な少女が二人きりで切り盛りする、アットホームな佇まいの私立図書館。 この図書館には、現世で道に迷う“道なし”と出会ったお客様が訪れる。その解決法を記した不思議な書物を紐解く図書館長・小野篁こそは、彼らを救う“冥官”だった。 季節は春。篁たちのもとに、上官である安倍晴明が訪れる。彼が新米冥官の少女・時子に伝える使命とともに、からくさ図書館にも、新たな芽吹きの季節がやってくる──。 悠久の古都で綴られる、ほろ苦くも温かいライブラリ・ファンタジー、第二集。